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2015.11.25

驚くほどリピーターが増える顧客からの信頼を得る技術

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自分では一生懸命に顧客と向き合っているつもりだが、本当の信頼を得ている実感がない。

「またお願いします!」と言われることはほとんどないし、たとえ言われたとしても社交辞令程度である。
事実、リピーターはほとんどいない。
このように悩んでいる人は、意外に多い。そして、自分ではなかなかその原因に気付かない。

だが、少しの工夫を積み上げることによって、みるみると成果を上げることができる。なぜなら、多くのリピーターを抱えるプロフェッショナルは実在するからだ。

顧客から本当の信頼を得るために、プロフェッショナルが実践する手法を説明する。

1. 顧客が期待する4つのレベルを認識する
 1-1 基本レベル / 1-2 当然レベル / 1-3 願望レベル / 1-4 想定外レベル
2. 顧客の本当の要望を把握する
3. 圧倒的な提案と差別化
4. 伝え方が信頼を左右する
5. まとめ

1. 顧客が期待する4つのレベルを認識する

顧客から信頼を得るためには、誠実でなければならない、約束を守らなければならない、清潔感溢れる外見をしていなければならないなどと言われるが、これらは当然のことである。

当然の要素を備えた上で、本当に信頼されるプロフェッショナルとしてどうあるべきかを考えていかなければならない。

そこで、まずは顧客が期待する4つのレベル感について理解しておく。

1-1 基本レベル

顧客と取引をする上で最低限必要な要素を備えているレベルである。
例えば、テレビが欲しいと考えている顧客に対して、テレビ機能そのものを提供できるレベルである。ここでは機能の良し悪しは問わない。

これは、顧客にとって満たされていなければならない不可欠なレベルである。このレベルが満たされていたとしても顧客にとっては当たり前であり、満たされていることをもって満足感は生じない。むしろ、仮に満たされていなければ、大きなクレームになるレベルである。

1-2 当然レベル

これは顧客が当然のこととして期待するレベルである。テレビが欲しいといったところ白黒テレビを提供されても顧客としては困るのである。

顧客にとってはカラーであることは当然である。画質も気にならない程度にクリアーであることが期待されている。

このレベルは、満たされることで初めて顧客に不満が生じないレベルである。したがって、もし満たされていなければ、顧客は不満を抱き、離れてしまうことだろう。

1-3 願望レベル

顧客は期待はしていないが、あれば高評価するというレベルである。必ずしも求めてはいないものの満たされれば満足するレベルである。このレベルが満たされていれば、今後も取引を継続しようと考えるだろう。

また、もしこのレベルが満たされていなかったとしても、顧客は不満には思わない。ただし、今後取引を行うかどうかは流動的である。
よりよいサービスがあれば、顧客は簡単に他に乗り換えることだろう。

1-4 想定外レベル

顧客自身がまったく想定もしていなかったレベルである。満足を通り越し感動すら覚えるレベルである。こうなれば、顧客自身が、あなたのサービスの宣伝までしてくれる。

また、仮にこのレベルが満たされなかったとしても、取引が継続する可能性は高い。

2. 顧客の本当の要望を把握する

信頼を得るプロフェッショナルは、顧客の要望を適切に把握することができる。
顧客は、様々なことを望んでいる。その内容を口に出してあなたに伝える。しかし、顧客が言うことが必ずしも顧客自信が望んでいることとは限らない。

別に顧客が嘘をつくというわけではない。単に、顧客が自分の本当の望みを理解していないだけである。そしてこのようなケースは本当によくあることだ。

仮にあなたが顧客が望むことに応えたとしても、顧客は満足しない。なぜなら、これは「当然レベル」を満たしたにすぎないからである。そして、悪いことに、もし顧客自身が自分の望みを適切に把握できていなければ、顧客の要望を満たしたとしても、むしろ顧客には不満が残ることになる。

だから、プロフェッショナルは、顧客の真の目的を理解しようとする。

そのためには、いかに質問をするかが大事になる。

顧客が望むようになった背景は何か、どうして望むのか、どうしたいのか、こういったことを丁寧に聴くことが求められる。

例えば、携帯電話を買いに来た人がいたとしよう。どうやら買い替えのようである。ずっと気に入って使っていたものが壊れたらしい。

だが、よくよく話を聴くと、充電がうまくできていないだけだった。だから、充電ができるように修理し使えるようにした。

お気に入れの携帯が元通りになったことで、顧客はとても満足した。
どんなに素敵な新機種を販売したとしても、顧客は決して満足することはなかっただろう。
その顧客は、これからもずっとその携帯会社を利用し知人にも勧めている。

プロフェッショナルは、顧客の意図を的確に把握しなければならない。

3. 圧倒的な提案と差別化

真に顧客の信頼を得るためには、顧客に対する提案が他を圧倒するほどの内容であり、かつ極めて独自性のあるものでなければならない。

つまり「想定外レベル」を提供するということである。

だが、あなたは、「そんなに簡単に想定外レベルのサービスなんてできるわけない」と言うかもしれない。しかし、現実に行っている例はたくさんある。
何としても作り出さなければならないことである。

顧客がリピータになるためには、あなたが信頼される必要がある。
信頼を得るためには、顧客の期待を良い意味で裏切るようなサービスが求められる。それにはなぜ、あなたのサービスが必要なのか、なぜあなたからそのサービスを提供してもらいたいのか、その理由が顧客に伝わらなければならない。

そのための圧倒的な提案と差別化なのである。

4. 伝え方が信用を左右する

顧客の信頼を得る上でもう1つ大切なこととして「伝え方」がある。
同じことを言ったとしても、その言い方なり伝え方が違えば、顧客の反応はまったく異なったものとなる。

ここで、最も留意すべきは、顧客の要望(真の要望)に沿う形で伝えるということである。

どういうことか具体的にみていこう。

あなたは経営コンサルタントだとしよう。顧客である会社の社長が、新規事業への進出を検討している。そこで、あなたの見解を求められた。

社長は、新規事業の成功に自身満々である。ところが、あなたの目からみたところ、とても成功するような代物ではない。

だからと言って、社長に「失敗します!止めてください」と言ったら、社長は意固地になって新規事業に邁進してしまいそうである。

したがって、あなたの考えをそのまま口に出すのは得策ではない。

では、どうしたらよいか?

社長の頭の中を想像してみよう。
社長は、新規事業を成功させることを望んではいるが、失敗して会社の経営が苦しくなることは本心ではまったく望んでいない。社長の望みは、あくまで会社を成長させることである。だから、社長が主張する新規事業でなくとも、会社が大きくなる方法が別にあれば、そちらを採用することもやぶさかではない。

だから、社長の主張する新規事業への進出を止まらせるためには、あなたは、別のプランを提示することになる。

「社長のお考えも素晴らしいですが、このようなプランもございますが如何でしょうか?」

このようにアプローチすると、社長はあなたの提案について考えることになる。そして、あなたの提案が魅力的であれば、そう、会社が確実に成長するのであれば、社長の考えはだんだんそちらに傾いていく。
そして、結果として社長の主張する新規事業への進出を中止にすることができるだろう。

つまり、相手がメリットと感じるような伝え方をするということである。

5. まとめ

顧客の信頼を得るために重要なことが3つある。

■顧客の真の要望を適切に把握するための質問力を身に着ける。
■圧倒的な提案と差別化を行い、顧客の「想定外レベル」の期待を満足させる。
■顧客の要望に沿う形での提案を行う。

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