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2015.11.06

プロとして成長するためには見習うべき
孫正義氏の仕事の流儀 

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偉大な経営者の言葉には、深い意味が込められている。そしてそこから多くのことを学ぶことができる。

ビジネスにおいて、行き詰ったり、迷ったりすることは多々ある。出口が見えず不安になることもあるだろう。
そのような時に、偉大な経営者の言葉が、何かのヒントを与えてくれることがある。

ソフトバンクグループをまとめる孫正義氏は、ツイッターを駆使しして、これまでに様々な発言をされている。同氏の言葉をいくつか紹介するので、プロフェッショナルとして生きていく上での参考にしてもらいたい。

Contents
1. 事業計画は1000パターン
2. 人がやらない事業から始めるのが成功への近道
3. 問題解決の答えが出ないとき
4. 説得ではなく感動させる
5. 小さな勝負はしない
6. 目標は明確に口に出す
7. まとめ

1. 事業計画は1000パターン

孫正義氏は、とても数字に拘るらしい。
事業計画も数パターン用意しただけでは、とても話にならない。なぜなら、状況の変化に対して数パターンでは対応できないからだ。

だが、1000パターンといっても、まっさらな状況から1000の事業計画を策定するわけではない。あくまでも変動要因を複数見つけ出し、それらの組み合わせによって、想定される結果を作り出していくのである。

変動要因には、例えば時間軸、金額単価軸、顧客数軸など考えられる。
2年なのか5年なのか、1,000円なのか1,100円なのか、100万人なのか110万人なのか、組み合わせはどんどん膨らんでいく。

また、孫正義氏は、一度決めた目標値を引き下げることはしないらしい。その背景には、日々努力を積み重ねている以上、基本的には成長していくものだとの考えがある。
だから、達成した目標があれば、次回は最低そこからがスタートとなる。

孫正義氏は、事業を数字に落とし込んで、数字を見事に操っている。そしてその根底には強い意志が存在する。

夢を数値化して期限を決める事。夢を具体的な目標に出来れば既に半分達成出来たと同然になる。(2014年5月15日:孫正義氏ツイッターより)

2.人がやらない事業から始めるのが成功への近道

すでに多くの人が行っている事業は、競争が激しく、新たに算入しても、その分野で成功するのは、なかなか難しい。

しかし、まだ人が始めていない分野、ノウハウや知見があまり集まっていない分野であれば、仮に資金が少なくても、成功の可能性は高くなる。

一般に資金が多い方が有利である。なぜなら巨額の資金であればあるほど、それだけの資金を用意できるライバルは減っていくからだ。

だから、少ない資金で成功するためには、新しいことに取り組まなければならない。

新しいことに挑戦し成功すれば、普通の人は満足してしまう。達成感もある。しかし、その瞬間に、新たな挑戦意欲は削がれてしまうことだろう。

達成感を得たら、その時点で成長は止まる。
(2014年9月23日:孫正義氏ツイッターより)

3. 問題解決の答えが出ないとき

孫正義氏の前では、「検討中」という回答は禁句だそうだ。何かの案件について、進捗状況を確認されるようなシチュエーションを想像してもらいたい。

そもそも十分な情報が揃っていれば、決断は10秒もあればできることである。このような考えが、孫正義氏の頭の中にはある。だから、「検討中」というステータスのほとんどは、十分な情報が入手できていないだけであって、何かを検討しているわけではない。

また、情報が入手できていないのであれば、どのような情報が必要なのか、なぜ入手できないのか、どうすれば入手できるのか、入手するまでにはどのくらいの時間が必要なのかといったことを、粛々とクリアーしていけばいいだけの話である。

だから、進捗状況の報告に際しては、現在何がネックになって判断できないのか、それはどのように解決できるのか、またその期限はいつなのか、こういったことを本来伝えなければならない。

だが、一方で、孫正義氏は、いくら考えても問題解決の糸口が見つからないことについても言及している。

問題解決の答えが出ない時の最も有効な解決手段は、解決案が出るまで深く考え続ける事だ。(2014年5月18日:孫正義氏ツイッターより)

4. 説得ではなく感動させる

決算発表や事業計画の説明で、孫正義氏はプレゼンテーションを行う。
このような場では、通常、企業は自社のことについて説明し納得してもらおうと考える。ところが、孫正義氏は、聴いている人を感動させることに注力するそうだ。

「ソフトバンク新30年ビジョン」の発表では、いきなり30年後について語るのではなく、今後続いていくであろう300年の会社の歴史の中の一部として、これからの30年を捉えるところから始まる。
そして、300年後について考えるのであれば、300年前の世の中がどうだったのかを確かめなければならないということでその検証を行う。

とてもスケールの大きなプレゼンテーションである。孫正義氏の話を聴いた人は、納得したのではく、きっと感動したに違いない。

孫正義氏は、いつまでも目標に向かって進んでいくことだろう。

もう既に頂点付近に来たと見るか、まだ入り口だと見るかは、その見ている人物のスケールによる。(2014年9月23日:孫正義氏ツイッターより)

5. 小さな勝負はしない

なかなか思い切って大きな勝負をするのは難しい。なぜなら、失敗したときのリスクが大きいからだ。一方、小さな勝負は、比較的簡単にできる。失敗してもリスクが小さいからだ。

しかし、小さな勝負で勝つことは、実は難しいことでもある。なぜなら、競争相手が多いため思った以上に成功しにくいからだ。

だから、孫正義氏は、小さな勝負はあまりしない。
しかし、勝算もなく大きな勝負ばかりに出るわけにはいかない。孫正義氏のように資金力があってこそ初めて大きな勝負もできるのである。

重要なことは、一般に、小さな勝負の方が勝ち易いと思われがちだが、むしろ大きな勝負の方が勝つ可能性は高いのである。

ただし、勝つためには、相当なパワーが必要であるのは間違えない。

何かに向かって突き進む時、だいたい風は向い風になる。その風を嘆く必要はない。ただ単に倍の力で進めば良い。(2014年8月13日:孫正義氏ツイッターより)

6. 目標は明確に口に出す

目標や計画を立ててもなかなか予定通りには物事は進まない。どうしても、どこかで妥協してしまうことがあるからだ。何が何でも計画を達成する強い意志と忍耐力が必要になる。

どうしても目標を達成したいのであれば、目標を口に出して宣言するといい。そうすることで自分にプレッシャーをかけることになる。目標を達成できなければ、周りから非難されることになるだろう。そのような追い込まれた状態に身を置くことで、人は大きなパワーを発揮することができる。

つまり、発表してしまえば、不可能なことも可能にできるのだ。

プレッシャーに弱いと言う人がいるかもしれないが、プロフェッショナルであればその弱さを克服していかなければならない。ギリギリのところで成果を上げてこそ、プロフェッショナルなのだろう。

目標は明確に口に出した方が良い。
周りにコミットする事で自分を追い込んで行けるから。
(2014年5月31日:孫正義氏ツイッターより)

7. まとめ

是非、孫正義氏の言葉から多くのヒントを見つけて欲しい。

■夢を数値化して期限を決める事。
 夢を具体的な目標に出来れば既に半分達成出来たと同然になる。
■達成感を得たら、その時点で成長は止まる。
■問題解決の答えが出ない時の最も有効な解決手段は、
 解決案が出るまで深く考え続ける事だ。
■もう既に頂点付近に来たと見るか、まだ入り口だと見るかは、
 その見ている人物のスケールによる。
■何かに向かって突き進む時、だいたい風は向い風になる。
 その風を嘆く必要はない。ただ単に倍の力で進めば良い。
■目標は明確に口に出した方が良い。
 周りにコミットする事で自分を追い込んで行けるから。

【参考文献】
■孫正義氏ツイッター
■「孫正義『規格外』の仕事術」(三木雄信著:PHPビジネス新書)

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